Native Instrmentから販売されている「SYMPHONY SERIES STRING ENSEMBLE」はAudiobroとコラボレーションして生まれた最大60人編成のストリングス音源です。
有名サンプラーのKONTAKTを開発したNative Instrmentが販売元ということもあり、この音源を使用する際にはKONTAKTが必須。本家の作成した音源ということもあってKONTAKTで使える機能をフルに活用できる非常によくできたストリングス音源となっています。
「ステレオマイク」「クローズマイク」「ミッドマイク」「ファーマイク」の4種類のマイク位置が違う音源が収録されているため調整によっては複数ジャンルの曲制作が可能。画面上から奏者の人数を変更できたりLA SCORING STRINGS(LASS)と同じように自動でディヴィジ演奏が可能なところも特徴的です。
- SYMPHONY SERIES STRING ENSEMBLEの紹介
- SYMPHONY SERIES STRING ENSEMBLEの使い方
- SYMPHONY SERIES STRING ENSEMBLEの感想
SYMPHONY SERIES STRING ENSEMBLEの紹介
音源概要
参考動画
公式HP
商品リンク
SYMPHONY SERIES STRING ENSEMBLEの使い方
音源を読み込む
SYMPHONY SERIES STRING ENSEMBLEでは「バイオリン」「チェロ」「ヴィオラ」「コントラバス」4つの弦楽器と1つのアンサンブル音源から選択してKONTAKT上に読み込ませます。
パフォーマンスコントロールを行う
ここではViolins.nkiを読み込んだ場合の説明を行います。
アーティキュレーションの選択
SYMPHONY SERIES STRING ENSEMBLEではそれぞれの音源ごとにアーティキュレーションが複数用意されており、最大8種類のアーティキュレーションをMIDIノートへ割り当てが可能となっています。
アーティキュレーションはキースイッチで変更可能。デフォルトはMIDIノートのC0~G0に割り当てられています。キースイッチのMIDIノート変更や対応するアーティキュレーションの変更も可能です。
パフォーマンス設定
ダイナミクスのコントロールはパフォーマンスタブ内の中央のつまみから変更可能。デフォルトではモジュレーションホイール(MIDI CC1)に割り当てられており、動的にダイナミクスを調整する場合に使用します。
エクスプレッションやMIDIノート入力時アタックタイムのほかリリースタイム、ブライトネス(20KHzの1-bandEQ)の調整もパフォーマンスタブで行います。
レガート設定、ディヴィジ設定(アーティキュレーションがレガートの場合)
レガートが有効な場合、MIDIのベロシティによってポルタメントとレガートが切り替わり、切り替えるベロシティの閾値(しきいち)はレガート設定のスライドを移動させることで決定します。
オートディヴィジが有効な場合はMIDIノートの同時発音が2以上だと自動で演奏人数が分割されます。オートディヴィジがOFFの場合、2音の同時発音では奏者が2倍となってしまうという実際の演奏ではありえない状況に。そのたリアルさを求める場合、このディヴィジ効果は大きいでしょう。
ちなみにオートディヴィジがONの場合はディヴィジの判断を行うため発音が遅れる仕様となっており、0.04秒程度ラグが生じます。
ラウンドロビン設定、リピート設定(アーティキュレーションがショート系の場合)
ラウンドロビン設定では4パターンあるサンプルを1から4の順番に再生するかランダムで再生するか選択可能です。リピート設定が有効の場合はMIDIノートがONの場合は音源をリピートし続け、リピート時間やリピートパターンの選択できます。
ミキサー設定を行う
SYMPHONY SERIES STRING ENSEMBLEではMixerタブにてマイクの設定やエフェクトの設定を行います。
マイクの設定
SYMPHONY SERIES STRING ENSEMBLEではマイクが4種類用意されており、「ステレオマイク」「クローズマイク」「ミッドマイク」「ファーマイク」の中から選択します。また、それぞれMIXすることも可能です。
エフェクトの設定を行う
Mixerタブの下部にて音源にイコライザー、コンプレッサ、リバーブをかけることが可能です。
イコライザー(EQ)
EQ設定はKONTAKT内の3-band EQに割り当てられています。Midのみバンド幅の設定が可能でLowとHighはバンド幅が0.5に設定されています。
リバーブ(REVERB)
11グループ104種類のリバーブから選択可能です。
コンプレッサー(COMP)
COMP設定はKONTAKT内のSolid Bus Compに割り当てられています。
プレイヤー人数(奏者数)の設定を行う
SetupⅠ+Ⅱタブではプレイヤー人数の選択が行えます。選択によってプレイヤー人数が変わり、それに伴ってメモリの使用量も変動することから目的に合った人数に設定すると良いでしょう。
SYMPHONY SERIES STRING ENSEMBLEの感想
SYMPHONY SERIES STRING ENSEMBLEは少々音色の好みが分かれるところではあるかもしれませんが個人的には音色も比較的好印象。音源を読み込んであまり設定をいじらなくても使えるところからも便利でおススメしたい音源のひとつです。
ただ一点だけ使用時に注意しないといけないと話として同シリーズであるSYMPHONY SERIESの別の音源と使うときがあります。同シリーズということもあって恐らくSYMPHONY SERIES同士の相性を期待する人も多いかと思います。しかし同シリーズはSYMPHONY SERIES STRING ENSEMBLEを収録したときと異なるホール(環境)で収録されており、個人的には「できれば同じホールで収録してほしかった」と感じてしまいました。
蛇足としてSYMPHONY SERIESのSTRINGS音源にはソロがないので今後発売しないかと心待ちにしていたりします。