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【Cakewalk by BandLab】ヒューマナイズ機能の使い方【SONAR】

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打ち込みで作られた曲は機械的な調子があり、繰り返し聴く中でマンネリを感じるようになります。その対策として使われている機能にヒューマナイズ機能があります。
ヒューマナイズ機能は決まった間隔から適当に音を前後にズラしたり、ベロシティを変化させたりすることで人間味のある聞き手に飽きさせない工夫ができます。

 
この記事では
 
  • Quantizeを使ったヒューマナイズ方法
  • Velocityを使ったヒューマナイズ方法

を説明します。

 

1. MIDIプラグインを使う

 

ここではCakewalk by BandLabに付属するMIDIプラグインを使用します。使うMIDIプラグインは「Quantize(クォンタイズ)」と「Velocity(ベロシティ)」です。

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ヒューマナイズを適用したいMIDIトラックを選択し、FX欄を右クリックして「MIDIプラグインの挿入」>「Uncategorized」>「Qunatize」を選択します。続けて「Velocity」も選択すると以下の画面が表示されます。

 

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2. QUANTIZE(クォンタイズ)

 

 QUANTIZEはタイミングを調整するプラグインです。通常はMIDIのグリッドに揃える際に使いますが、ランダムにタイミングをずらす機能もあります。
初期設定では一番近い16分のグリッドにMIDIノートの先頭を合わせる状態になっていますが、設定を変更してランダマイズ機能として使用できます。

 

2.1 QUANTIZEでのヒューマナイズ設定

 

QUANTIZEをヒューマナイズとして使用する場合、以下のように設定します。

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MIDIノートの開始位置をクォンタイズせずにランダマイズ機能のみ使用するようになります(このときRandomの下のEnableボタンを有効にすること)

CHECK:この設定で得られる結果

 

  • クォンタイズはされない
  • MIDIノートの長さは変わらない
  • 開始位置のみ 最大で± 1/320ずれる(32分音符の10%が最大)
 

ここでのポイントはWindowを0%にするところです。
Windowはクォンタイズする範囲を決める設定で、100%に近いほどクォンタイズの対象となるMIDIノートの範囲(グリッドからの距離)が広がり、0%でクォンタイズされないようになります。
またResolutionはクォンタイズ時のグリッドの分解能を設定しますが、この値が小さいほどRandomの分解能が上がります。Resolutionは「1/32note」か「1/32note Triplets」を選んだほうが良いでしょう。

 

2.2 QUANTIZEの使い方

 

ここではQUANTIZEの各パラメータの説明を記載しますが、必要のない方は『【3】VELOCITY(ベロシティ)』へ進んでください。

 

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CHECK:QUANTIZEの各パラメータ

 

  • Start Times
    ONにするとMIDIノートの開始タイミングをグリッドに合わせる(Random含む)
  • Durations
    ONにするとMIDIノートの長さをグリッドに合わせる(Random含む)
  • Resolution
    クォンタイズの分解能(グリッドの細かさ)を設定。
  • Tuplet
    クォンタイズ時に分解能より細かい設定をする際に使用。
 
  • Strength
    100%時にクォンタイズ対象のMIDIノートをグリッドに合わせる。値が小さくなるにつれてMIDIノートの移動距離が短くなる。
  • Swing
    アルペジオをクォンタイズする際にスイングさせる場合に使用。50%では等間隔(スイングしない)となり、値が大きくなると2音目が3音目へ、値が小さくなると2音目が1音目へ近づく。
  • Window
    クォンタイズされる範囲の設定。100%でグリッドからどんなに離れていてもクォンタイズの対象となり、0%でクォンタイズがされない。
  • Offset
    クォンタイズ後のMIDIノート位置のオフセットを設定。0でグリッド上となり、マイナスでグリッドより前に移動しプラスでグリッドより後ろに移動。
 
  • Randomize
    クォンタイズ後のMIDIノート位置をランダムで前後に移動させる。ここで設定する値は最大値となる。例えば10%と設定するとResolutionに対して最大で前後10%のずれが発生する(Resolutionが1/32 note であれば最大で 1/320のずれとなる)

3. VELOCITY(ベロシティ)

 

VELOCITYはMIDIノートのベロシティを変化できます。またMIDIノートのベロシティを一定の値にしたり、指定した範囲でリニアに変動させたりすることも可能です。初期設定ではベロシティをすべて100にする状態になっています。

 

3.1 VELOCITYでのヒューマナイズ設定

 

 VELOCITYをヒューマナイズとして使用する場合、以下のように設定します。

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まずChangeを選択します。Changeは現在のMIDIノートに加算(減算)するときに使用します。ここでは0を設定し、基準のベロシティは変更しないようにします。
次にRandomizeをONにした後、Amount設定では加算するベロシティを設定します。

CHECK:この設定で得られる結果

 

  • 基準のベロシティは変わらない
  • 現在のベロシティに対して最大で±10の変化をランダムに与える

 

3.2 VELOCITYの使い方

 

ここではVELOCITYの各パラメータの説明を記載しますが、必要のない方は読み飛ばしてください。

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「Set to」「Change」「Scale」「Limit」から1つ選択します。

CHECK:VELOCITYの各パラメータ

 

  • Set to
    ベロシティを指定した値にする。110と設定するとすべてのMIDIノートのベロシティは110になる。
  • Change
    現在のベロシティの指定した値を加減算する。0は変化なしでプラスの値にすると加算し、マイナスの値にすると減算される。
  • Scale
    現在のベロシティを割合で変化させる。100パーセントでは変化なしで50パーセントだとベロシティが半分になる。
  • Limit
    設定した上下限の範囲外にあるヴェロシティを上限値または下限値にする。

 

  • Change
    MIDIノートに直接エフェクトをかける場合に使用しており、FX欄(MIDIプラグインの挿入)では使用できない。最小値と最大値を指定してリニアにベロシティを変動させる(下の図を参照)
    図はChangeでベロシティ1~127に設定した場合
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  • Gradually
    MIDIノートに直接エフェクトをかける場合に使用。FX欄(MIDIプラグインの挿入)では使用できない。
    現在のベロシティを割合で変化させるが、変化の割合を最小値(%)と最大値(%)で指定し割合をリニアに変動させる(Scaleと似てる部分もあるが、こちらは割合がリニアに変動)

 

  • Randomize
    チェックを入れるとランダマイズ機能がONに。Randomizeは他の設定と同時に使用できる。RandomizeはAmountとTendencyでベロシティの変化方法の詳細を決める。
  • Amount
    ランダムにベロシティを変動させる。ここで設定する値は変化を加えるベロシティの最大値になり、10と設定すると±10を元のベロシティに加算(減算)する。
  • Tendency
    Amountで設定した値のばらつき方向を設定する。
    Amountが10でTendencyが0の場合は加算するベロシティが-10~10の間でまんべんなく変動するが、Amoutがプラスの値になると加算するベロシティがプラス方向になる確率が高くなる。

 

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