Cakewalk by BandLabが無料で使えることもあり、これからDTMをはじめようという人もいるかと思います。しかしDAWはインストールしてすぐ万全に使えるというわけでなく、はじめて使うDAWはまず最低限必要な環境設定を行わなければいけません。
今回はCakewalk by BandLabで楽曲の作成をする前に設定しておきたい環境設定ーオーディオインターフェースの設定からVSTプラグイン、ショートカットなど環境設定ダイヤログの説明します。
環境設定前にやっておきたいこと
cakewalk by BandLabのインストール
cakewalk by BandLabの導入方法は別記事で紹介しています。インストールがまだの人はこちらを終わらせてから次に進んでください。
環境設定の詳細表示
まず編集>環境設定を開きます。初期状態は簡易表示になっているので詳細表示を選択します。
オーディオの設定
入力・出力デバイスの選択
ここでは使用するオーディオインターフェースの選択をします。オーディオ:デバイスのクリックして接続されているデバイスが一覧で表示されるので使用するデバイスにチェックを入れましょう。
使用するデバイスの設定
ここではデバイスの選択でチェックを入れたものが表示されるので、再生に使用するデバイスと録音に使用するデバイスを選択しましょう。ここで設定したチャンネルがタイミングマスタとして使用されます。
64ビッド倍精度エンジンにチェックを入れると内部処理が64ビットの倍精度で処理されるようになります。PCの処理能力に余裕がある場合はチェックを入れたほうが良いですが、たくさんのオーディオを処理する場合はチェックを外したほうが無難です(ここでの64ビットとはOSの64bitのことではありません)
録音・再生のオプション確認
録音・再生オプションではドライバモードなどの設定を行います。ASIO対応オーディオインターフェースか非対応または使用しない場合、設定が異なります。
ASIO対応のオーディオインタフェースを使用する
②ドライバモードをASIOに選択し「マルチプロセッサの処理を有効にする」と「プラグインの負荷バランス」のチェックを入れます(デフォルトではチェックが入っていません)
②ASIOに関する設定はオーディオインタフェース付属のソフトを開いて行います。また「デバイスの設定」タブ>ミキシングレイテンシの項目の「ASIOパネル」をクリックすることでその設定画面を表示できます。また、「新規プロジェクトの初期設定」のサンプリングレートをオーディオインタフェースで設定しているサンプリングレートに合わせておきます。
オーディオインタフェースがない 又は ASIO非対応オーディオインタフェース
①ドライバモードを「WASAPI 排他」もしくは「WASAPI 共有」に設定します。
WASAPI 排他:
cakewalkを使用している時は他のソフト(例えばブラウザやメディアプレイヤー)では使用できなくなります。ただし、レイテンシ(音の遅延)が小さいメリットがあります。
WASAPI 共有:
cakewalkと他のソフトを同時に使用できます。この設定ではカーネルミキサーというWindows内部のミキサーを通すため、音が劣化する場合がある。
②「マルチプロセッサの処理を有効にする」と「プラグインの負荷バランス」のチェックを入れます(デフォルトではチェックが入っていません)
プラグインの負荷バランスはオーディオ処理の負荷を全てのCPUで行うように分散させるものでチェックが入っているときと入っていないときでCoreの使用割合が異なります。
ただし、環境によってはプラグインの負荷バランスがONのほうがCPUに余裕があってもオーディオドロップアウトの原因になるという場合もあります。そのためプラグインの負荷バランスについては環境に合わせてON/OFFを切り替えて使うと良いでしょう。
公式の説明では、下の図のようにコアにより負荷のかかり方に差がある場合はプラグインの負荷バランスをONにしたほうが良く、差がない場合やバッファサイズが小さい場合は負荷バランスをOFFにしたほうが良いらしいです。理由は負荷バランス処理自体がオーバーヘッドになるとのこと。
MIDIの設定
入力・出力デバイスの選択
入力・出力デバイスの選択では接続されているデバイスが一覧で表示されます。この中から使用するデバイスにチェックを入れ、使用するMIDIデバイスを設定をします。
ファイルの設定
VSTプラグインの設定
ここではVST・VSTiの設定をします。追加ボタンでプラグインが含まれるフォルダをVSTプラグインの検索へ追加していきます。このとき設定のプラグインウィンドウのリサイクルはチェックを外しておいたほうが良いでしょう。
プラグインウィンドウのリサイクルにチェックを入れるとプラグインウィンドウが複数同時に表示されないようになります。新しいプラグインウィンドウを表示しようとすると、すでに開いているプラグインウィンドウが閉じられてから新しいプラグインウィンドウが表示されるようになります。
詳細の設定
ここでは自動保存と復帰に関する設定をします。自動保存は作業をしているプロジェクトファイル(.cwp)ファイルには直接保存されず、現在作業中のプロジェクトファイル名の頭に Auto-save Copy of が追加されたファイル名として新しく保存されます。
すでに同名のプロジェクトファイルが存在する場合は上書き保存され、ここで自動保存の設定をしておけばCakewalk by BandLabが突然クラッシュしてしまってもダメージは少ないでしょう(自動保存0分かつ0回の設定では自動保存はされません)
カスタマイズの設定
スナップオプションの設定
MIDIノートやオーディオファイルがグリッドにスナップする強さ設定はここで行います。スナップの強さが弱の場合はグリッドの影響なくMIDIノートやオーディオファイルは移動し、スナップの強さが強の場合はグリッド上でのみ移動するようになります。スナップテストで好みの強さを確認し設定しましょう。
キーボードのショートカット設定
ここではよく使う操作をキーボードショートカットに割り当てが可能です。キーボードショートカットを設定することで作業がスムーズに進むようになります。
①まずキーを探すボタンを押し、ショートカットで使用するキーを選択します(今回は「Shift+P」を押します)
②次にバインドする機能の設定をします。バインド対象からグローバルを選択し、検索でピアノロールと入力します。すると表示(V)ピアノロールビューが検索されるのでこれをクリックしましょう。
③Shift+Pと表示(V)ピアノロールビューが選択された状態で画面左下のバインドボタンを押すとショートカットの割り当てができます。
④図のように表示されれば、ショートカットのバインドは完了です。
これでインストール後にしておきたい環境設定は完了です。
関連記事まとめ
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