ONGEN OPT

DTMについて役立ちそうな情報をまとめてるブログ

【Cakewalk by BandLab】オーディオプラグイン・エフェクトの紹介(VST他)

f:id:hatemani:20200731165528p:plain

オーディオプラグイン・エフェクトは曲制作や音作りでなくてはならないツールのひとつです。 プラグイン・エフェクトをかけることで素の音を変化させ、より自分好みの作品を作るためにも使いこなしておきたいツールです。

 
この記事を読むと
 
  • Cakewalk by BandLabのオーディオプラグインについて概要が分かる

 

【1】Sonitusプラグイン

 

Sonitusプラグインは、イコライザ・コンプレッサ・マルチバンドコンプレッサなどの11種類のエフェクトをバンドルしています。古くからあるプラグインであるためデザインは少しレトロ感を感じる部分もありますが、必要な機能は備えているため使う機会は多いプラグインです。
ModulatorやPheseなどはグラフィカルではないので、近年見られる直感的にわかりやすいプラグインと比べると各パラメータの知識が必要になります。

f:id:hatemani:20210108093554p:plain

 

1.1 Sonitus Equalizer(イコライザー)

 

Sonitus Equalizerは6バンドのパラメトリックイコライザーです。グラフは5dB~40dBでレンジを変更することができ、各バンドで使用する/しないの選択が可能になっています。
また、バンドを複数選択して同時に「周波数」「Q」「ゲイン」を変更もできますがSonitus Multibandのようにバンドごとのソロ機能がないため少々おしいと感じるところも。

f:id:hatemani:20210108093618p:plain

 

1.2 Sonitus Compressor(コンプレッサー)

 

Sonitus Compressorはサイドチェインが可能なリミッター付きコンプレッサーです。
アタックタイムが0msから設定できるほか、リアルタイムにリリース時間を変更する機能もあります。コンプレッサの動きは少し難しく、要点のみ説明すると以下のような内容になります。

f:id:hatemani:20210108093639p:plain

CHECK:Sonitus Compressorの各パラメータ
 

Threshold(スレッショルド)
ここで設定したレベル以上の入力に対して圧縮をかける(ただしKneeがHard以外の場合はKneeの設定によって圧縮開始レベルが変わる)

Ratio(レシオ)
圧縮する比率を設定。例えば4:1に設定したときは入力信号がスレッショルドを超えたレベルに対して4分の1に圧縮する。

Knee(ニー)
スレッショルド前に圧縮する場合はHard以外(数値)に設定。例えばニーが2dB、Thresholdが-10dBの場合、-12dBから圧縮が開始され、-10dBを超えたらレシオの設定通りの圧縮量となる。

Attack(アタック)
完全にコンプレッサーがかかるまでの時間を設定。

Release(リリース)
スレッシュレベル以下に入力レベルが下がったときにコンプレッサーの効果が切れるまでの時間を設定。

Limiterボタン
ONの場合、リミッター機能として動作しクリップしない。

TCR
リリース時間を自動で設定する。TCRが有効の場合はリアルタイムにリリース時間が変動。
 

 

1.3 Sonitus Multiband(マルチバンドコンプレッサー)

 

Sonitus Multibandは5バンドのマルチバンドコンプレッサーです。
マルチバンドであることを除いては基本的にSonitus Compressorと同じです。バンドごとにゲインを設定できるほか、ソロ機能があるのは嬉しいと感じる人も。こちらもTCR(リリースタイムリアルタイム可変機能)があります。

f:id:hatemani:20210108093656p:plain

 

1.4 Sonitus Gate(ゲート)

 

Sonitus Gateはサイドチェインに対応したノイズゲートプラグインです。ゲートは入力された信号がスレッシュレベル以下であれば音が遮断される仕組みになっています。そのためノイズをカットする機能として使われます。
また、Sonitus Gateには「ローカット」「ハイカット」がそなえられており、ドラムでキックやハイハットといった低い周波数や高い周波数のみカットすることも可能。ほかにも「Duck」という機能を使用してスレッシュレベル以上の音を遮断するような動作もできます。

f:id:hatemani:20210108093734p:plain

 

1.5 Sonitus Reverb(リバーブ)

 

Sonitus Reverbは一通り必要な設定をそなえたリバーブです。「Dry」「E.R.」「Reverb」をミックスさせて出力します。個別ミュート機能があるのは嬉しいですが、Inputにもミュートがあるのは珍しい気がします。

f:id:hatemani:20210108093746p:plain

 

1.6 Sonitus Delay(ディレイ)

 

Sonitus DelayはDAWのテンポに同期させる機能のあるステレオディレイです。
左右で別々のディレイ設定ができるほか、ディレイの音に「ハイパスフィルター」「ローパスフィルター」をかけられます。また、Tempoと書いてある部分をHosにすることでDAWのテンポに同期します。

f:id:hatemani:20210108093804p:plain

 

1.7 Sonitus Modulator(モジュレーター)

 

Sonitus Modulatorは6つのモードが1つになったモジュレーターです。Modeから「Flanger」「Ensemble」「String Phaser」「Phaser 6」「Phaser 12 」「Tremolo」を選択して使います。

f:id:hatemani:20210108093823p:plain

CHECK:Modeの各説明
 

Flanger
短時間ディレイに変調を加えたエフェクト(ギタートラックでよく使われる)
Ensemble
3つの非同期モジュレーションディレイ。フランジャーよりも拡散したコーラスエフェクト。
String Phaser
ストリングスに特化したフェーザー。位相を変調させる。
Phaser 6
6段階のフェーザー。
Phaser 12
12段階のフェーザー。
Tremolo
LFO波形を使って入力信号のボリュームを切り替える。

 

 

1.8 Sonitus Phase(位相調整)

 

Sonitus Phaseは音の位相を調整するプラグインです。入力信号に位相差によるステレオの広がりを加えます。Modeから「LR Phase」「MS Phase 」「CS Encode 」「SC Encode」を選択して使用します。

f:id:hatemani:20210108093836p:plain

CHECK:Modeの各説明
 

LR Phase:左右の位相差を調整。
MS Phase:中央の音とサイドの音の位相差を調整。
CS Encode:センターの音を左、サラウンドの音を右に移動。
SC Encode:サラウンドの音を左、センターの音を右に移動。

 

 

1.9 Sonitus Surround(サラウンドエンコーダー)

 

Sonitus Surroundは前後や左右に音が移動しているように聞こえたり、任意の位置から聞こえるようにするプラグインです。
画面上の青いPanningエリアでパンのポジションをグラフィカルに操作できるため、イメージの位置で音場を調整することが可能です。触ってみるとなかなか面白いプラグインです。

f:id:hatemani:20210108093845p:plain

 

1.10 Sonitus SurroundComp(サラウンドコンプレッサー)

 

Sonitus Compressorをサラウンド対応に拡張したプラグインです。操作は基本的にはSonitus Compressorと同じです。

f:id:hatemani:20210108093856p:plain

 

【2】Classic Creative Suite

 

Classic Creative Suiteは、ビットクラッシュ・フェイザー・エキサイター・コーラスなどの8種類のプラグインで構成されています。どちらかというと飛び道具的なプラグインが多いですが、コンプレッサー・ゲートやテンポディレイもあります。

f:id:hatemani:20210108093914p:plain

 

2.1 Alias Factor(ビットクラッシュ)

 

Alias Factorはサンプリングレート変換をシミュレーションしオーディオを破壊するプラグインです。リサンプリング処理によって音に歪みを与えてサウンドを作成します。

f:id:hatemani:20210108093938p:plain

 

2.2 Classic Phaser(フェイザー)

 

Classic Phaserはその名の通りフェイザーです。フェイザーとは位相を変化させて音に揺れを加えて音を作るプラグインです。揺れの周期はプロジェクトのBPMに合わせることができます。

f:id:hatemani:20210108093946p:plain

 

2.3 Compressor / Gate(コンプレッサー)

 

CompressorとGateが組み合わさったプラグインです。コンプレッサーとゲートの機能が使えるプラグインですが、通常のゲートのようにスレッショルドによって機能するゲートとマニュアルトリガーによって機能するゲートを選択できます。
GATEMODEがMANUALの時は、MANUAL TRIGGERのON/OFFによってゲートが開閉します。それによりスライサーのような使い方もできます。

f:id:hatemani:20210108094008p:plain

2.4 HF EXCITER(エキサイター)

 

HF EXCITERは倍音成分を追加するエキサイターというプラグインです。通常、エキサイターは倍音成分を強調しますが、HF EXCITERは原音に含まれない倍音成分を追加することで音を明るくクリアにします。

f:id:hatemani:20210108094019p:plain

 

2.5 Modfilter(モジュレーション・フィルター)

 

ModfilterはLFO(低周波オシレーター制御)・EG(入力信号による制御)・MANUAL(手動制御)で制御するフィルタープラグインです。LFO周期はプロジェクトのBPMに合わせることができます。

f:id:hatemani:20210108094039p:plain

 

2.6 Multivoice Chorus / Flanger(コーラス・フランジャー)

 

Multivoice Chorus/Flangerは音に厚みと広がりを出すコーラスエフェクトと金属的なうねりを出すフランジャーが組み合わさったエフェクトです。どちらもディレイを原音と組み合わせることで効果を実現していますが、コーラスはフランジャーより長いディレイとなります。

f:id:hatemani:20210108094056p:plain

 

2.7 Tempo Delay(ディレイ)

 

Tempo DelayはプロジェクトのBPMに同期してタイムを決められるディレイです。テンポディレイとしての使い方以外にも任意のディレイタイムにすることもできます。
ディレイモードはステレオ・ピンポンディレイ・クロスフィードバック・左右中央3チェンネルから選択できます。

f:id:hatemani:20210108094113p:plain

 

2.8 Para-Q(イコライザー)

 

Para-Qはピーキングタイプの2バンドイコライザーです。バンド幅はBWで設定し単位はオクターブとなります。

f:id:hatemani:20210108094124p:plain

 

【3】ProChannel

 

ProChannelはイコライザやコンプレッサーなど組み込まれた18種類のプラグインから好きなものを複数使える拡張型のチャンネルストリップです。
また、FXChainも組み込めるため、上で紹介したプラグインやサードパーティープラグインも使用可能。ProChannelの使い方は通常のプラグインと異なるため個別に作成した記事を参照してください。

【ショートカットキー】ProChannelの表示 / 非表示:CtrlI

f:id:hatemani:20210108094210p:plain

ProChannelの使い方とモジュール紹介

cakewalk by BandLab内には「ProChannel」というプラグインがあります。このプラグインはトラック・バスごとに始めから組み込まれており、イコライザ・コンプレッサ・リバーブなどを自由に組み合わせて使うことができます。モジュールの負荷が少ないなどの理由からミキシングのストレスが少なくなり、FXラック同様にProChannel内でのサードパーティーのプラグインもFX Chainを用いることで使用可能です。今回の記事ではcakewalk by BandLab内で使用できるプラグイン「ProChannel」の使い方とモジュールを紹介します。
 

 

【4】他のプラグイン

4.1 Boost11(リミッター)

 

Boost11は波形表示が可能なリミッターです。設定可能な項目は少なめで、入力ゲイン(BOOST)の調整・出力レベル(OUTPUT)の調整・ON/OFFくらい。
「入力ゲイン」「出力レベル」「ON/OFF」いずれもオートメーションでコントロール可能ですが、ほかのリミッターと比べて音が割れやすいという評価もあります。

f:id:hatemani:20210108094222p:plain

 

4.2 TH3 Cakewalk Edition(アンプシミュレーター)

 

TH3 Cakewalk EditionはOverloud社のアンプシミュレータの機能縮小版です。アンプやキャビネットの数などはFULL版と比べて少ないものの、無料DAWでTH3が使えるのは嬉しいところ。
ちなみにTH3 Cakewalk Editionではアンプが12種類・キャビネット11種類・エフェクト12種類・マイク3種類となっています。

f:id:hatemani:20210108094233p:plain

 

関連記事まとめ

この記事ではCakewalk by BandLabの使い方について紹介します。