DTMで打ち込みで作曲やコピーをする際に「コード進行やコード名は分かるけど、コードの構成音が分からない」というケースに遭遇したことはないでしょうか。そのとき作業を中断してネットでコードの構成音を調べてMIDI入力するとなると、さらに時間が嵩んでしまう状況になりかねません。
今回はそんなときに使えるアーティキュレーションマップを使ったコードでMIDI入力をする方法を紹介します。
アーティキュレーションマップとは
アーティキュレーションマップは音源のキースイッチ操作・CC・ピッチ変更・ノート操作などのMIDI操作に対し、名前と操作方法を割り当てたものになります。
キースイッチを例に挙げるとC1がスタッカートD1がビブラートとなる音源の場合、切り替える際はそれぞれのノートを入力しますが、どこのノートに何が割り当ててあるか確認しながら入力が必要です。
アーティキュレーションマップを使用すればMIDIノートの入力とは別に、専用のレーンでスタッカートやビブラートという名前で制御できるようになります。(ただし事前に音源に合ったアーティキュレーションマップの登録が必要です)
主な使い方はアーティキュレーションの変更ですが、コードの入力機能がデフォルトで用意されています。この記事ではそのコード入力の手順を紹介します。
アーティキュレーションマップを使ったコード入力
サンプル完成イメージ
サンプルとして以下のコード進行を作る手順を説明します(画像は完成イメージ図)
(Cm→A♭→E♭→B♭sus4→B♭)→(Cm→A♭→E♭→B♭)
実践
①まずは1番目のコード(Cm)を入力します。ピアノロール上部のアーティキュレーションエリアをダブルクリックします。
②アーティキュレーション選択画面が表示されます。コード(Cm)の入力操作は、左下段からChord Triads>Minor Root >Cmを選択してOKボタンをクリック。
③1番目コードが入力されたので次に2番目のコード(A♭)を入力します。①②で入力したコード(Cm)の後ろのスペースをダブルクリック。
④コード(A♭)の操作方法は、②と同じようにChord Triads>Major Root>G#/A♭を選択後、OKボタンをクリックします。
⑤2番目のコード(A♭)が入力されました。
下の図を見ると分かると思いますが、表示されるラインはArticulation Grooupsごとに異なっています。
ここではMinor Rootラインに最初のコード(Cm)が表示され、Major Rootラインに2番目のコード(A♭)が表示されています。
入力したアーティキュレーションは同じライン上であれば移動やコピーができます。
⑥アーティキュレーション上でコードを変更することもできます。
⑤で作成した2番目のコード(A♭)を後ろにコピーした後、右クリックをしてReassign>D#/E♭を選択します。
これでCm→A♭→E♭までできました。
⑦⑥と同じ要領で3番目のコード(D#/E♭)をコピーし、右クリック。Reassignで4番目のコード(Bb)を作成します。これで4小節できたことになります。
⑧⑦までに作成した4小節をコピーし、後ろに貼りつけます。これを元に残りのコードを完成させます。
⑨冒頭で説明したコードは「Cm→A♭→E♭→(B♭sus4)→B♭」なのでコード(B♭sus4)を追加していきます。
すでに入力済みのコード(B♭)の中央にタイムラインバーを移動させ、右クリック>現在タイムで分割を選択します。
コード(B♭)が2つに分割されました。
⑩分割した前側のコード(B♭)をダブルクリックして、Chord Triads>Sus 4 Root>A#sus4/B♭sus4を選択してOKをクリックします。
これでコードは完成しました。
アーティキュレーションマップをMIDIノートに変換する
アーティキュレーションマップはそのまま再生すればMIDIが再生されます。
しかしここでアーティキュレーションマップをMIDIノートに変換することでその後の編集がしやすくなるため、その方法を説明します。
アーティキュレーションマップをMIDIノートに変換するとアーティキュレーションマップの内容が削除されてしまうため、一旦別のトラックにコピーをして避難させておきます。
アーティキュレーションをすべて選択してコピーし新しいトラックに貼り付けておきましょう。
アーティキュレーションマップをMIDIノートに変換するには、アーティキュレーションマップ上で右クリックをして「Apply All Articulation to Track」を選択。選択したものだけ変換する方法やアーティキュレーショングループ単位での変換も可能です。
MIDIノートに変換すると下の図のようになります。
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