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【Cakewalk by BandLab】ProChannelの使い方とモジュールの紹介

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cakewalk by BandLab内には「ProChannel」というプラグインがあります。このプラグインはトラック・バスごとに始めから組み込まれており、イコライザ・コンプレッサ・リバーブなどを自由に組み合わせて使うことができます。
モジュールの負荷が少ないなどの理由からミキシングのストレスが少なくなり、FXラック同様にProChannel内でのサードパーティーのプラグインもFX Chainを用いることで使用可能です。

 
この記事を読むと
 
  • Cakewalk by BandLabで使用できるProChannelの使い方が分かる
  • ProChannelで使えるモジュールの概要が分かる

 

【1】ProChannelで使えるモジュールの種類

 

ProChannel内で使用できるモジュールの種類を一覧にします。

プラグインFX

  • Quad Curve EQ(イコライザ)
  • BREVERB 2(リバーブ)
  • Console Emulator(コンソールエミュレーター)
  • Console Emulator Bus(コンソールエミュレーター)
  • PC4K S-Type Bus Compressor(コンプレッサ)
  • PC76 U-Type Compressor(コンプレッサ)
  • REmatrix Solo(コンボリューションリバーブ)
  • Saturation Knob(サチュレーター)
  • Tape Emulator(テープエミュレーター)
  • Tube Saturation(サチュレーター)

サードパーティー読み込み

  • FX Chain(FXラック)

Style Dial FX(1つのツマミで操作するプラグイン)

  • DEPTH(コーラス/ステレオ形成)
  • GATER(ノイズの除去)
  • GRIT(サチュレーション)
  • MAX(ボリュームマキシマイザー)
  • PULSE(トレモロ)
  • SHAPER(トランジェントコントロール)
  • SMOOTHER(de-esser / de-harsher)
  • SPACE(リバーブ/アンビエンス)

 

【2】ProChannelの使い方

 

ここではProChannelの使い方について説明します。

 

2.1 ProChannelの表示、モジュールの追加

 

①まずインスペクタの「ProCh」ボタンを押してProChタブに切り替えます。ここでモジュールの追加・削除・置換・順番の入れ替えなどを行います。

【ショートカットキー】ProChannelの表示 / 非表示:CtrlI

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ProChタブ一番上の「+」ボタン(A)もしくはモジュールの名前が表示されている上で右クリック(B)し、モジュールの挿入から使用するプラグインを選択します。
モジュールの位置入替を行う場合は移動したいモジュールの名前が表示されているあたりをドラッグし、移動したい位置に持っていくことで別のモジュールと位置が入れ替わります。

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2.2 ルーティング位置の指定

 

トラックのFXに対してProChannelの位置の前後を設定することができます。モジュールの名前付近で右クリック後に「トラックエフェクトの後ろにルーティング」にチェックを入れるとトラックFXの後にProChannelが適用されます。

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※トラックのPostボタンをONにすることで同じ処理が可能です。

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【3】ProChannelで使えるモジュールの説明

3.1 Quad Curve EQ(イコライザ)

 

Quad Curve EQは「Hybrid」「Pure」「E-Type」「G-Type」計4つのスタイルから選べる6バンドイコライザです。
画面上にスペクトルアナライザを持っており、リアルタイムで信号の周波数を確認することができます。ProChannelの中では唯一、小画面と大画面を持っているため特に使いやすいプラグインとなっています。

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3.2 BREVERB 2(リバーブ)

 

BREVERB 2は付属のアンプシミュレーター(TH3 Cakewalk Edition)と同じoverloud社のスタジオリバーブです。128のプリセットと「HALL」「PLATE」「ROOM」「INVERSE」の4つのリバーブタイプから選択して使用することができます。

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3.3 Console Emulator (コンソールエミュレーター)

 

Console Emulatorは「S-TYPE(SSL)」「N-TYPE(NEVE)」「A-TYPE(Trident A-Range)」の3つのタイプから選択して入力された信号に対してサチュレーションをかけるプラグインで、それぞれのタイプの実機をシミュレートしています。通常はトラック全てで同じタイプを選択して使用します。
TOLERANCE設定は実機の内部抵抗値誤差(個体差)を反映させることができ、トラックごとにわずかに異なる効果を与えます。

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3.4 Console Emulator Bus(コンソールエミュレーター)

 

Console Emulator BusはConsole Emulatorと基本的には同じですが、トリムコントローラが存在しません。

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3.5 PC4K S-Type Bus Compressor(コンプレッサー)

 

PC4K S-Type Bus CompressorはSSL4000をシミュレートしたバスコンプレッサーで、サイドチェインにも対応しています。アタックは0.1ms~30ms、リリースは0.1s~1.2sとなります。また、サイドチェインに対しては入力にハイパスフィルターを使用できます。

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3.6 PC76 U-Type Compressor(コンプレッサー)

 

PC76 U-Type CompressorはUrei 1176をシミュレートしたコンプレッサーで、こちらはサイドチェインには対応していません。
また固定のスレッショルドとなるためスレッシュレベルの設定はなく、代わりに入力レベルの設定を変更して使用します。アタックは0.0ms~1.2ms、リリースは50ms~1200msとなります。

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3.7 REmatrix Solo(コンボリューションリバーブ)

 

REmatrix SoloはOverloud社のコンボリューションリバーブのモジュールです。
40種類のプリセットと「HALL」「ROOM」「PLATE」「EARLY」「SPECIAL」の5種類のリバーブタイプ、100種類のIR(インパルスレスポンス)データから選択して使用します。また、ユーザー独自のIRファイルを使用することも可能です。

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3.8 Saturation Knob(サチュレーター)

 

Saturation KnobはSoftube社のサチュレーターで、ツマミ1つでEFTによる歪みを加えるシンプルなプラグインです。高周波数帯にはエフェクトをかけない設定や低域へ加える歪みを抑える設定も可能です。

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3.9 Tape Emulator(テープエミュレーター)

 

Tape EmulatorはOverloud社のテープエミュレーターで、アナログテープに録音される音の特性をエミュレートしテープサチュレーションをトラックまたはバスへ加えます。
NOISEのツマミで60Hzおよび4KHz~20KHz以上のノイズを加える機能もあります。

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3.10 Tube Saturation(サチュレーター)

 

Tube Saturationはアナログ真空管回路の特性を再現するプラグインで、純粋なチューブエミュレーションと高周波を処理しないチューブエミュレーションの2種類から選択できます。歪み量はInputのレベルとDriveで決定し出力されます。

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【4】サードパーティープラグインの読み込み

 

サードパーティー読み込み用のモジュールを説明します。

 

4.1 FX Chain

 

FX Chainはサードパーティーを含むオーディオプラグインを読み込むことができるラックプラグインです。ProChannel自体がラックプラグインのようなものですが、ProChannelの中でさらにFXラックが組めるような使い方となります。
ProChannel上ではVSTプラグインをそのままでは読み込むことができないため、FX Chainを使って「Cakewalk」「WAVES」「Ik Muitimedia」「Brainworx」などのVSTプラグインを読み込みます。

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【5】Style Dial FX

 

Style Dial FXはノブ1つでエフェクトをコントロールするプラグインです。攻めた調整はできませんが、シンプルで用途に合えば便利なプラグインとなります。

 

5.1 DEPTH(コーラス/ステレオ形成)

 

DEPTHはステレオイメージ・変調・ディレイを組み合わせた効果を生みます。ツマミでステレオ幅とモジュレーション量の調整をします。

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5.2 GATER(ノイズの除去)

 

GATERはトラック内のノイズを除去するノイズゲートプラグインです。ツマミでゲーティングの強さを調整します。0%では何も行いません。

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5.3 GRIT(サチュレーション)

 

GRITはサチュレーションプラグインで、ツマミを使ってサチュレーションの量を調節し、真空管サウンドからアンプのオーバードライブまでトラックに対して倍音を加えます。

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5.4 MAX(ボリュームマキシマイザー)

 

MAXはトラックまたはバスに対して使用するマキシマイザーで、ツマミの操作でダイナミックリダクションの量を調整します。

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5.5 PULSE(トレモロ)

 

PULSEはボリュームの増減・サチュレーション・モジュレーションを加えるプラグインです。ツマミでボリュームの増減量とモジュレーション量と歪みを調整します。

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5.6 SHAPER(トランジェントコントロール)

 

SHAPERはアタックを調整するトランジェントコントロールプラグインで、ツマミでアタックを調整します。

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5.7 SMOOTHER(de-esser / de-harsher)

 

SMOOTHERはボーカル、ギター用に設計されたDeEsser・DeHarsherプラグインで、ツマミで中高域を圧縮します。

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5.8 SPACE(リバーブ/アンビエンス)

 

SPACEはリバーブとアンビエンスをシミュレートするプラグインで、ツマミで部屋のサイズを調整します。

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関連記事まとめ

Cakewalk by BandLabの使い方

この記事ではCakewalk by BandLabの使い方について紹介します。
 
 

(実践編)ボーカルトラックの処理

このシリーズでは初心者向けに比較的簡単な操作でできるボーカルミキシングの紹介をしています。前回はボーカルミキシングをするうえで必要な準備についてお話ししましたが、第2回目はミックスのために必要なボーカルトラックの処理についてお話しします。ボーカルトラックの処理はボーカルを目立たせ、なおかつ曲と違和感なく一つに融合させるために綺麗な状態にする工程です。
 

ProChannelを使ってノイズ除去などボーカルトラックの処理の仕方を紹介した記事です。