これまで多数の会社からクオリティの高いサンプリング音源が発表されていますが、音楽制作をする人なら気にならないという人はいないでしょう。自分好みのサンプリング音源を使いたいからこそ、まだ使ったことがない・知らない音源の情報・特徴を把握したい。
しかし時は金なりというように膨大な数が発表されている音源をすべてチェックするのは容易ではなく、音源自体の価格も鑑みると至難の業です。そこで今回はサンプリング音源のなかでオーケストラ総合音源含むストリングス音源について紹介しようと思います。
- SPITFIRE AUDIO
- Cinesamples
- CINEMATIC STRINGS
- Native instrument
- Audiobro
- BEST SERVICE
- EASTWEST
- UVI
- Vienna Instruments
SPITFIRE AUDIO
ALBION ONE
- 税込価格 ¥62,557 (現地定価:USD 449.00) ※SONICWIRE公式HPでの表記価格
- 容量:55.7GB
- 推奨メモリ:4GB
- エンジン:KONTAKT PLAYER 5
「ALBION ONE」は「ALBION – VOL.1」のメジャーアップデート版です。
アップデート版といいつつ、サウンドは完全新録。また、アーティキュレーションも多くのパターンが収録されています。
映画音楽制作向けのスコアリング・ツールですがゲーム音楽にも使えるオーケストラ音源です。
その一例としてスクウェア・エニックスのコンポーザーである鈴木光人氏も愛用しており、実際にFFシリーズのゲーム音楽制作にも使われています。
またALBION – VOL.1ユーザーの場合、通常価格の約40%OFFの価格でクロスグレード版の購入が可能なのでユーザーの人はおトクにALBION ONEを入手可能となっています。
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SPITFIRE CHAMBER STRINGS
- 税込価格 ¥97,383 (現地定価:USD 699.00) ※SONICWIRE公式HPでの表記価格
- 容量:80.9GB
- サンプリングレート:96kHz(テープ経由でのデジタル収録)
- 推奨メモリ:4GB
- エンジン:KONTAKT PLAYER 5
SPITFIRE CHAMBER STRINGSは「SPITFIRE SYMPHONIC STRINGS」とサンプリング方法が似ており、レアヴィンテージもののアナログ機材を仲介して96kHZデジタル収録されている音源です。
16名の奏者の244もの膨大な数のアーティキュレーションが収録されていることもあり、曲制作の幅を広げられる可能性を持ち、主要なものは勿論のことフォールダウンなどユニークなアーティキュレーションも追加収録されています。
また、4種類の追加マイクポジション、3種類のステレオミックスの拡張する専用パックがあり、こちらはSPITFIRE CHAMBER STRINGSユーザーのみ購入が可能となっています。
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SPITFIRE SYMPHONIC STRINGS
- 税込価格 ¥111,320 (現地定価:USD 799.00) ※SONICWIRE公式HPでの表記価格
- 容量:101.1GB
- サンプリングレート:96kHz(テープ経由でのデジタル収録)
- 推奨メモリ:4GB
- エンジン:KONTAKT PLAYER 5
SPITFIRE SYMPHONIC STRINGSは「SPITFIRE CHAMBER STRINGS」とサンプリング方法が似ており、レアヴィンテージもののアナログ機材を仲介して96kHZデジタル収録されている音源です。
総勢60名の奏者による175ものアーティキュレーションが3つのマイクポジションで収録されているだけでなく、各ストリングスセクションだけならずアンサンブルもあるためそのバリエーションから曲制作の助けとなってくれます。
SPITFIRE CHAMBER STRINGSと比較すると奏者の多さもありオーケストラ・映画音楽向けのサンプリング音源ではないかと思います。
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SPITFIRE SOLO STRINGS
- 税込価格 ¥55,594 (現地定価:USD 399.00) ※SONICWIRE公式HPでの表記価格
- 容量:42.8GB
- 推奨メモリ:4GB以上
- エンジン:KONTAKT PLAYER 5
SPITFIRE SOLO STRINGSは前述した「SPITFIRE CHAMBER STRINGS」「SPITFIRE SYMPHONIC STRINGS」と同じ場所・機材・マイクボジションで収録したソロ・ストリングス音源です。
収録楽器はヴァイオリン・ビオラ・チェロ・バス。ソロ音源自体そこまで多くないため曲によっては重宝するかもしれません。
また、旧SPITFIRE SOLO STRINGS所持ユーザーはクロスグレードが可能。ユーザーアカウントに登録する必要がありますが、普通に購入するより安価で入手できます。
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Cinesamples
CineStrings CORE
- ¥71,200 ※NATIVE INSTRUMENTS公式HPでの表記価格
- 容量:50GB
- 推奨メモリ:8GB
- エンジン:KONTAKT・KONTAKT PLAYER(ともに ver.5.8.1以降)
CineStrings COREはこれまでのストリングス音源の中でトップクラスといえるくらい機能や奏法が多く、音域も広いなどのメリットを感じさせる内容となっています
発売当初ソフトの重さや音の立ち上がりの遅さなどの問題点があったものの1.3アップデートでその多くを解消。
特にCineStrings SOLOから採用されたCineSamples Adaptive Legato Engine(シネサンプルズ アダプティブ レガート エンジン)が搭載されたことでスムーズに作業するできるように改善されたことで再評価されたストリングス音源といえます。
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CINEMATIC STRINGS
CINEMATIC STUDIO STRINGS
- 税込価格 ¥55,594 (現地定価:USD 399.00) ※SONICWIRE公式HPの表記価格
- 容量:32.11GB
- 推奨メモリ:8GB以上
- 推奨使用OS/DAW:ともに64bit
- エンジン:KONTAKT PLAYER 5
CINEMATIC STUDIO STRINGSはCINEMATIC STRINGS2をベースに制作されたインターフェースのおかげでパッチリストやキースイッチなどの多くある機能を1つのGUIページで使用することができます。
また、多機能だけあって音作りを幅広くできるものの、使い始めはその機能の多さに戸惑いを感じる人もいるかもしれません。
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CINEMATIC STUDIO SOLO STRINGS
- 税込価格 ¥41,657 (現地定価:USD 299.00) ※SONICWIRE公式HPの表記価格
- 容量:約40GB
- 推奨メモリ:4GB
- エンジン:KONTAKT PLAYYER 5
CINEMATIC STUDIO SOLO STRINGSはその名前の通り映画音楽向けのソロストリングス音源です。
先述したCINEMATIC STUDIO STRINGSにマッチするようにデザインされていることもあり、CINEMATIC STUDIO STRINGSとの相性はもちろんCINEMATIC STUDIO SOLO STRINGS単体でも奥深い表現を提供してくれます。
ソロバイオリン、ヴィオラ、チェロが収録されており、ソロだけでなくカルテットの表現も可能。
CINEMATIC STUDIO STRINGSと同じくCINEMATIC STRINGS2をベースに制作されたインターフェースを採用しており、多くある機能を1つのGUIページで使用することができます。
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Native instrument
SYMPHONY SERIES – STRING ENSEMBLE
- ¥67,200/クロスグレード ¥20,150 ※NATIVE INSTRUMENTS公式HPでの表記価格
- 容量:34GB
- 推奨メモリ:6GB
- エンジン:KONTAKT・KONTAKT PLAYER
「SYMPHONY SERIES」はオーケストラサウンド再現に使えるサンプリング音源でAudiobroとNative Instrumentsのコラボによって生まれました。
リアルな音作りがされているため、より本物のような音楽制作を目指す人におススメの音源です。
「ステレオマイク」「クローズマイク」「ミッドマイク」「ファーマイク」の4つのマイクを収録しているのも特徴で、別音源であるKOMPLETEにはESSENTIALS版(マイク選択なし。機能制限されたもの)が収録されています。
また、SYMPHONY SERIESはKompleteに含まれている音源なので、Kompleteを持っていないのであれば単体で購入するよりKompleteを購入するほうが良いでしょう。
ただしナンバーによって収録内容が異なる場合があるため注意も必要です。
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個別紹介記事
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SESSION STRINGS PRO 2
- ¥40,300 / アップデート・フルバージョン¥10,050 ※Native Instruments公式HPでの表記価格
- 容量:36.6GB
- 推奨メモリ:6GB
- エンジン:KONTAKT・KONTAKT PLAYER
「SESSION STRINGS PRO 2」は8つのバイオリン、6つのビオラ、4つのチェロ、4つのベースから構成される最大22人編成のアンサンブルストリングス音源です。
フレーズアニメーター機能やリズムアニメーター機能を持ち、アレンジが簡単に行えます。
SESSION STRINGS PROと比べてGUIの作りも格段に使いやすくなっており、以前より扱いやすい音源になったのではないでしょうか。先述の「SESSION STRINGS PRO」と同じくこちらもKOMPLETEに収録されています。
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CREMONA QUARTET
- ¥53,700/アップグレード・バージョン ¥13,400※NATIVE INSTRUMENTS公式HPでの表記価格
- 容量:Stradivari Violin 23.5GB/Guarneri Violin 25.6GB/Amati Viola 24.3GB/Stradivari Cello 27.3GB
- 推奨メモリ:6GB
- エンジン:KONTAKT・KONTAKT PLAYER(ともにver.6.2.2以降)
「CREMONA QUARTET」はストラディバリなど世界的に貴重な弦楽器(ヴァイオリン2本、ヴィオラ1本、チェロ1本)を複数のマイクで収録したソロ・ストリングス音源です。
今では稀少な特徴を残す1600年代から受け継がれているコレクションを細部まで丁寧に収録しています。
CREMONA QUARTETはKompleteにも含まれているため、Kompleteを持っていないのであれば単体で購入するよりKompleteを購入するほうが良いでしょう。
ただしナンバーによって収録内容が異なる場合があるため注意も必要です。
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Audiobro
LA SCORING STRINGS 2.5
- 税込価格¥154,000(本体¥140,000)
- 容量:17GB
- 推奨メモリ:4GB
- エンジン:KONTAKT PLAYER 5
「LA SCORING STRINGS」は通称LASS(ラス)と呼ばれているストリングス音源です。
著名な作曲家でありプロデューサーであるアンドリュー・ケレステス氏率いて開発したということでも有名。作曲のプロがコンピュータ上での音楽制作で感じたフラストレーション解決のために作られた経緯もあり、かゆいところに手が届くような感覚を覚えた人もいるようです。
最新版としてLA SCORING STRINGS 3が発売し、メーカーHPのストアページ(https://www.audiobro.com/ab-store/)で購入が可能です。
LASS3では生音を感じられる音色の良さは勿論、UIとキースイッチが刷新されたり新しい機能によって操作性の向上されていたりなど、正統進化を感じられる内容になっています。また、値段もこれまでより安価な設定($599.00)がされているのも印象的。
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BEST SERVICE
THE ORCHESTRA COMPLETE 2
THE ORCHESTRA COMPLETE 2
- 税込価格 ¥61,006(現地定価:EUR 459.00) ※SONICWIRE HPでの表記価格
- 容量:約14.81GB
- 推奨メモリ:4GB以上
- エンジン:KONTAKT・KONTAKT PLAYER(ともにver.6.2.2以降)
THE ORCHESTRA
- 税込価格 ¥39,743 ※SONICWIRE HPでの表記価格
- 容量:約6.2GB
- 推奨メモリ:4GB以上
- エンジン:KONTAKT・KONTAKT PLAYER(ともにver.5.6.8以降)
TO STRINGS OF WINTER
- 税込価格 ¥19,800(現地定価:EUR 149.0) ※SONICWIRE HPでの表記価格
- 容量:約4.56GB
- 推奨メモリ:4GB以上
- エンジン:KONTAKT・KONTAKT PLAYER(ともにver.6.2.2以降)
TO HORNS OF HELL
- 税込価格 ¥19,800(現地定価:EUR 149.0) ※SONICWIRE HPでの表記価格
- 容量:約5GB
- 推奨メモリ:4GB以上
- エンジン:KONTAKT・KONTAKT PLAYER(ともにver.6.2.2以降)
「THE ORCHESTRA COMPLETE 2」はオールインワン・オーケストラ・ライブラリ「THE ORCHESTRA」に60種類のストリングスアーティキュレーションと特徴的なアンサンブルサウンドが収録された「TO STRINGS OF WINTER」とブラスに特化した「TO HORNS OF HELL」を加えたバンドル製品です。
「THE ORCHESTRA」はアンサンブル・エンジンが搭載されており、これまでよりも早くスケッチがしやすいオーケストラ音源となっています。
収録されている楽器はヴァイオリン属・金管・木管・パーカッション属・クワイアとブラスの種類が若干少ない印象あるもののパートは充実しています。
オーケストラ音源のなかで珍しくアルペジエータープリセットがあるためスケッチやアレンジに便利な音源です。ソロの音源がないため曲を作り込みたい場合は別のソロ音源が必要になります。
また、マイクポジションは1つのみということもあり、細かくマイクポジションを選ぶということはできないなど少々難を感じるところも。
逆にそこまで細部までこだわらないという人にはおススメしたいオーケストラ音源ともいえます。
「TO STRINGS OF WINTER」「TO HORNS OF HELL」ともに「THE ORCHESTRA」を引き上げるスペックを持ちつつ、単体のライブラリとしても動作が可能。
また、両者ともそれぞれアップグレード版があるため、片方所持している場合にはこちらの購入がおススメです。
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CHRIS HEIN SOLO STRINGS COMPLETE
- 税込価格:¥93,390(現地定価:EUR 599.00) ※クリプトン HPでの表記価格
- 容量:約29GB
- 推奨メモリ:4GB
- エンジン:KONTAKT PLAYER 5
「CHRIS HEIN SOLO STRINGS COMPLETE」はソロ・ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス音源のお得なバンドルセットです。
これまでのストリングス音源の中でトップクラスといえるくらい機能や奏法が多く、音域も広いなどのメリットを感じさせる内容となっています。
また、ソロのストリングス音源のなかでは奏法が非常に充実しており、ドライな音ということもあってポップスにも使えるなど幅広く使える音源です。
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EASTWEST
QUANTUM LEAP Symphonic Orchestra
- Platinum Download:¥67,523 ¥33,779(税込)※ハイ・リゾリューションHPでの表記価格
- 容量:194GB
- サンプリングレート / ビット深度:44.1kHz / 24bitのプロフェッショナル&16bitのライトバージョン
- 推奨メモリ:4GB以上
- エンジン:PLAYエンジン
- 推奨OS:Windows 64bit版
「QUANTUM LEAP Symphonic Orchestra」は通称QLSOで知られる昔から定番のオーケストラ音源です。
この音源ではオーケストラで使用されている楽器のほとんどが収録されているためDTM入門者から使える音源となっています。マイクポジションはClose・Stage・Hallの3つ。
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Hollywood Orchestra Opus Edition
- Diamond Download:税込¥134,539 ¥50,600 ※ハイ・リゾリューション公式HPでの表記価格
- 容量:944GB
- 推奨CPU:8コア 2.7Ghz以上
- 推奨メモリ:32GB以上
- 推奨OS:ASIOドライバ使用のWindows 10/mac10.13以降
- 推奨ドライブ:NVMe SSD
- エンジン:Opusエンジン
Hollywood Orchestra Opus Edition はメーカーから販売されていた同タイトルを刷新したオーケストラ音源です。新たに130GB以上レコーディングしたサンプルが収録され、新エンジンとなるOpusの採用で機能やUIが使いやすくなっています。
もともと最高峰のオーケストラ音源の1つとして知られる一方、総容量が944GBと公式から推奨環境はSSDと書かれるくらい激重。ですがその分アーティキュレーションもそこそこ多く、オーケストラ向けですが多彩なジャンルにも対応できるかと思います。
また、EastWestの全製品を使用することができる「Composer Cloud」というサブスクリプションがあり、こちらを利用することで導入コストが安価で済ます方法もあります。
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UVI
Orchestral Suite
- $149.00 ※UVI公式HPでの表記価格
- 容量:4.62GB
- サンプリングレート:44.1 kHz・96 kHz
- 推奨メモリ:8GB以上
- エンジン:UVI Workstation 2.6.8以上、またはFalcon 1.2.0以上
- 推奨HDD / SSD:ともに7200回転仕様
「Orchestral Suite」は60以上の楽器が軽量かつ手ごろな価格で購入できるオーケストラ音源です。
高音質でありフルオーケストラ、それでいて容量は4.6GB程度で価格は大体2万程度とオーケストラ音源の中でもかなりコスパが良い。
サックスやユーフォニウムといた一部の楽器は収録されていないものの「とりあえずオーケストラ音源を手軽にそろえたい」というならおすすめしたい音源の1つです。
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Vienna Instruments
VIENNA SYMPHONIC LIBRARY
- 推奨メモリ:16GB以上
「VIENNA SYMPHONIC LIBRARY」は2003年に登場してから数多くのアーティストに支持されてきたフルオーケストラ音源です。
主要な楽器と奏法を集約したVIENNA SPECIAL EDITIONをはじめ、数多くの拡張音源をそろえることで真価を発揮します。
また、VIENNAは今もなお新しいライブラリを作り続けていることから常に進化している音源といえるでしょう。
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