Cakewalk by Bandlabを使っていて音が途切れたりオーディオのドロップアウトが発生したりしたことはありませんか?
この状況になった場合、考えられる原因はいくつかありますがその1つに「Cakewalk by Bandlabの負荷が高い」ことが挙げられます。
今回はCakewalk by Bandlab上で可能なCPUの負荷を下げる方法について紹介します。
CPU使用率の確認方法
Cakewalk by BandlabにおけるCPU使用率の確認方法
【Parformance画面上で右クリック>CPUメーターオプション】
まずPerformanceでCPUの使用率を確認してみましょう。
Performanceの設定は「オーディオ処理」「システムパフォーマンス」「アプリケーション全体のパフォーマンス」の3種類あります。
オーディオ処理とシステムパフォーマンスで表示されるバーの数はCPUのスレッド数となります。
- オーディオ処理:Cakewalk by Bandlab上のオーディオ処理の負荷を表示します。
- システムパフォーマンス:Cakewalk by Bandlab全体の負荷を表示します。
- アプリケーション全体のパフォーマンス:全てのCPU負荷を1本のバーで表示します。
環境設定を見直す
CPU負荷が高い状態、もしくはオーディオのドロップアウトが発生する場合は環境設定によって解消される場合があります。この項目では環境設定で確認する項目について説明します。
Ⅰ 64ビット倍精度エンジン(D)を無効にする
【編集>環境設定>デバイスの設定>使用するデバイスの設定画面】
64ビット倍精度エンジンはCakewalk by Bandlab内部の演算を倍精度浮動小数演算で行う機能で、一言でいうと「非常に細かいところまで計算するよ」というもの。
このチェックを外して64ビット倍精度エンジンを無効にすると細かさは犠牲にされますが負荷を軽減することが可能です。
Ⅱ バッファサイズ(サンプル数)を増やす
【編集>環境設定> デバイス設定>ミキシングレイテンシ】
CPUパフォーマンスはバッファサイズを増やすことでも改善が可能です。
オーディオ信号にエフェクトをかける時にバッファという入れ物が必要ですが、バッファサイズはその入れ物の大きさを決める設定となります。
バッファを大きくすればそれだけ処理するための時間を確保できるのでオーディオのドロップアウトを防ぐ助けになりますが、バッファを大きくするほどリアルタイム録音時にオーディオインターフェースから出力される音声が遅れて聞こえるようになります。
出力だけであれば遅延が大きくても問題はないでしょうが、録音する場合は注意が必要です。
またVSTプラグインによってはバッファを大きくしすぎると逆に音が途切れてしまう場合もあるのでこちらも注視しておくと良いでしょう。
Ⅲ プラグインの負荷バランスを有効にする
【編集>環境設定>オプション→録音・再生のオプション】
プラグインの負荷バランスを有効にすることでもCPUパフォーマンスの改善ができます。
プラグイン負荷バランスはオーディオ処理をPCに搭載された全てのCPUに分散する機能で、この設定を変更した場合の効果はPerformanceのCPU使用率(オーディオ)で確認することができます。
1つのトラックでVSTプラグインが複数処理されている場合に大きな効果を発揮します。
処理のイメージ画像
プラグインの負荷バランスチェックなしの場合
プラグインの負荷バランスチェックありの場合
プラグインの使い方を見直す
Ⅰ トラックのフリーズを行う
フリーズしていない状態ではトラックを再生するたびにオーディオエフェクトの処理をしながら再生されます。
しかしフリーズを行うと画面上に表示されている波形そのものがオーディオエフェクトを通した後の波形となり、リアルタイムでのエフェクト処理がされないようになります。
このようにフリーズすることでリアルタイムにエフェクトを処理していた分のCPUに余裕ができ、負荷を軽減することが可能となります。
フリーズはトラックに対してMIDIデータのオーディオ化やオーディオエフェクトを適用させた後の状態にすることを指します。
フリーズを行う方法
①トラック上のフリーズマークをクリックすることでフリーズ処理がされます。
②フリーズが完了するとエフェクト表示の色が薄く(無効状態)となり、波形ファイルにオーディオエフェクトが適用された状態になります。波形データを見ると元の波形と比べて変化していることがわかると思います。
③もう一度フリーズボタンを押すことでフリーズ前の状態に戻すことができます。
Ⅱ オーディオエフェクトの反映
オーディオエフェクトの反映はフリーズと似ています。しかしこちらはフリーズと異なり元の状態に戻せません(破壊編集である)2通りの反映方法を説明しますが、少し勝手が変わるので注意が必要です。
a) メニューからエフェクトの反映をする場合
メニューからエフェクトを反映する場合ですが、こちらがすでにFXラック内で使用しているエフェクトを適用させます。エフェクトは選択したトラック内の全てのクリップに対して反映されます。
①トラックを選択してプロセス(P)>エフェクトの反映>オーディオFXをクリック。
②図のように設定をしてOKボタンを押す。
b) クリップ毎にエフェクトを反映する場合
①エフェクトをかけたいクリップを右クリック>エフェクトの反映>かけたいエフェクトをクリックします。クリップからのエフェクト反映はその場で設定を決めて反映させています。そのため事前に設定値を決めておく必要があるので使い方が難しいと感じる人も。
②エフェクト画面で設定値を整えてOKボタンを押すことでクリップに対してエフェクトを反映させます(ここでは詳しく説明しませんがクリップに対してエフェクトの挿入も可能でトラック内の複数のクリップに異なるエフェクトを挿入しておき、フリーズやメニューからのエフェクト反映を行うことも可能です)
その他、負荷に関する小技
画面(GUI)の更新頻度を下げる
Pauseキーを押すことで画面の更新頻度を1秒周期に変更することが可能です。
関連記事まとめ
Cakewalk by BandLabの使い方や秘訣